夕染逢想

夜、キッチンでお湯をわかす。コーヒーを飲みたくて。
カップにインスタントコーヒーの粉末を入れて、ポットに水を注ぎコンロに乗せる。火をつける。

明かりはキッチンだけ。BGMはコンロの火がポットに熱を伝える音。キッチンの椅子に座り、水がお湯に変わるのを待つ。その時間。その時間が好き。
白い蛍光灯の明かりと、青いガスの火の色と、それだけ、それだけでいいと思った。


現実というのは、雨のようなものだと思った。
いきなり降りかかってきたり、来そうだと思ったらなかなか来なかったり、来たら来たで延々と降り続けたり、ちょっと降ったら止んでしまったり。人間にはコントロールがきかなくて、それを完全に防ぐ手段もない。ささやかな抵抗として傘をさしてみても、足元を見たら濡れていたり。外を歩いていていきなり降ってきたら、家に帰りたくなるし、家にいる時に振ってきたら、外に出たくなくなってしまう。
本当に、僕が知りえる世の中はこんな感じだ。

そろそろゼミを決める時期になってきた。就職のことなんかを考えると人生を決める選択といっても過言ではないかもしれない。そのくらい大事な選択だけど、そのことだけを考えられるほどの余裕はない。惰性で決めるわけではないけど、半分それに近くなってしまわないだろうか。

最近、大事なのは手段のための目的ではなく、目的のための手段ということを忘れてしまっていたようだ。まず念頭に置いておかなければいけないのは目的であって、手段ではない。目的のために手段があるのであって、手段のことばかり考えていてはいけない、そんな「当たり前のこと」を忘れていた。２ｃｈはたまにそういうことを思い出させてくれる。
目的を持って手段を取れば、手段が目的に変わる。形になる。それが嬉しくて、楽しくて、まだがんばれる。と思えるんだと思う。


さて、今はもう見ぬ誰か様、お元気ですか。未だ見ぬ誰か様、お元気ですか。僕はもうバイトが忙しいとは言いません。元気です。