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夕染逢想

時間切れだね

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いつまでどこまで

森博嗣のS&Mシリーズをだいたい読み終わった。S&Mといっても決していかがわしい本ではない。あくまでも登場人物のイニシャルなのであしからず。
だいたいといったのは番外編とか短編とかが残っているから、もっと正確に言えばさらに続きのシリーズがあるので実質読み終わったのは半分といったところか。著者の本は文庫になるとどうしても厚くなるので(もともとは新書サイズで2段組)本棚にいれたらかなり場所を取られた。今日読み終わった最終巻はもう本棚には入らない。
森博嗣作品を読んでから自分の考え方が変わったと実感している。わかりやすく言えば多大な影響を受けた。森氏の言葉には僕の語彙で表せない説得力がある。一見極論にも見えるが、納得してしまうのだ。森氏はモノの本質がよく見える人なのだろう。そしてそれを理解し、納得できる僕は幸せだと思う。

一通りシリーズで読んでいって、一番好きな作品は「すべてがFになる」「幻惑の死と使途」「今はもうない」「数奇にして模型」の四つだろうか。一番好きといいつつ4つあげたのは森氏の作品は本当に優劣がつけ難いから。まさに読者泣かせの作家だ。


シリーズ物が終わってしまうと不思議な虚無感におそわれる。物語の中のキャラクターが死んでしまうような、消えてしまうような錯覚に陥ってしまう。きっと寂しいのだ。最初の作品を買ってからの数ヶ月(実際は2ヶ月程度だった気がする)ほとんど毎日のように作品の中のキャラクターの動向にドキドキハラハラさせられて、まるで自分が作品の中でキャラクターのそばで傍観しているような感覚になる。
この感覚は一度経験済みだ。否、一度ならず、本を読み始めた日から何度となく経験してきた。紙と文字の海に飛び込む感覚。意識と行動が完全に分離され、紙と文字の海から顔を出すと、いつの間にか時間が過ぎ、学校を出たばかりのはずが家でカルピスを飲んでいる。今でも思い出せる。
だけど、感覚としては久しぶりだった。

こんな本に、こんな本を書く人に出会えてよかったと思う。この感覚にまた浸れてよかったと思う。

さぁ、次は何を読もうか。まだまだこの人の作品はたくさんあるけど、今度は違う人の作品も読んでみたい。
あの人はどんな文章を書くんだろう。あの人の頭の中を少しだけのぞいてみたい。

まったく麻薬なんかよりずっと強烈なものにはまってしまった。

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comment

料亭

  • 透明人間 
  • 2008/07/16(水) 00:49
  • edit

森さんの本だったら
『少し変わった子あります』
オススメ(・∀・)

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