夕染逢想

あえて言葉を選ばずに、簡潔な表現を用いるとしたら、僕は代わりを探しているんだろう。
記憶の中にある面影をたよりに、その面影の代わりを探しているんだと思う。それが間違いとは言えない。その面影はつまり今まで僕を構築してきたものだと思うから。人生の中で、ほんの一部に過ぎないけど、僕の中身に触れる際の一番大切な部分だと思うから。

学校には楽しいこともあれば目をそらしたくなるような現実もある。一番楽しいはずの場所でその現実を目の当たりにすることも珍しくない。それから逃げることが罪だとは言わないけど、僕の心はすぐにでも逃げ出したくなる衝動に駆られる。
現実を拒否したくなる。
同時に、そんな自分を激しく嫌悪する。
表情を取り繕い、話を合わせながら、心の中で自分自身に激をとばす。
逃げるな　逃げるな　逃げるな

気持ちが壊れそうになる。


純粋に、話の合う友達と話をして、相手に悟られないように救いを求める。またはあからさまに救いを求める。
でも自分では気づいてる、それは救いじゃなく、相手にすがっているだけということ。

自分の言葉が汚れていくのを感じる。

今の僕は僕自身が安定していなくて、そんな状態で楽器を触っても、何も感じることが出来ない。ただ覚えてる曲を弾くだけ。
だから新しいことに挑戦してみた。ただ新しいバンドを組むだけじゃなくて、自分が楽しくなれるように。音楽を楽しめるように。


新月のように形が見えない僕がいます。
それは月の形をしているのか、はたまたただの形の無い暗闇なのか。
時間が経てば、月の輪郭のようにはっきりするのか。