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夕染逢想

時間切れだね

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挙措失当

さて、さて、僕という物語はこれまで19年と何ヶ月か続いてきたわけですが、今かつてないほど道を失いかけています。
さながら真っ暗な洞窟で灯を落とし突然訪れた闇に慣れない目で必死に道を探そうとする冒険者のように、どこをどう進めばいいのかわからずに気持ちの中で右往左往しているのであります。さらに困ったことに、今回ばかりは闇に目が慣れるのか、それすらも僕にはわかりません。

大切なものは失って初めて気付くことが出来るといいますが、僕は一度ならず二度失ってようやく自覚が芽生えはじめました。しかし時すでに遅し、最早戻ることの出来ないところまで来ていたことに気づかず、ありもしない希望に夢をみながら今日まで惰性で生きてきて、あまつさえこれからも惰性で生きようとしているのであります。惰性で生きることを罪と呼ぶのなら僕は今すぐにでもそれをやめる覚悟はできています。しかし、しかしいかんせんそのほかの道を見つけることが出来ません。
寝てる間、起きている間、働いている間、休んでいる間、食事中、入浴中、考えることをやめることは出来ずに罪と贖罪との間で道を探しますが、一向にその道が見えてきません。

罪の意識は今更になって芽生え始めます、もはや何もかも遅すぎたというのに。
自分の記憶をたどってみるとあの頃まではうまくやれていたと思っていました。それすらもやはり自分に対する偽りでしかなかったわけですが。しかし自分を騙すことができていたのは事実、紛れもない事実。あわよくばその事実のまま今日まで生きてきたかった。
いつからその事実の嘘に気づいてしまったのか。出来るものならその事実のまま記憶と感情を色褪せさせ新たな記憶と感情を新しい色で描いていきたかった。それすらも今ではとても難しく、色褪せ始めた記憶と感情は再び鮮やかな色をまとい僕自身を締めつけます。



顔を合わせてまともでいられる自信がない。悪いのは全て自分なのに。

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